東京都足立区に本社を置く製菓業者14社が集結し、「あだち菓子本舗」と銘打った商品を展開している。菓子製造の会社や工場が集中している地域の特徴を生かし、足立を「お菓子のまち」として有名にすることを目指す。

「あだち菓子本舗」の商品を紹介する宮下和朋代表理事(右)と松場孝一理事=足立区で

◆始まりは昭和20~30年代

 東京で菓子が普及したのは江戸中期からで、製造は神田周辺で盛んだったと伝わる。台東区などに広がり、昭和20~30年代に野菜と魚の市場や広い土地のある足立区に移転したり起業したりする菓子業者が増加。現在は都内の菓子工業組合に所属する会社の3割を足立区の業者が占めている。  菓子業者の力を合わせて足立の新たな土産物を作ろうと、パン工房サンベルゴの宮下和朋社長(47)らが「あだち菓子本舗」を2018年に設立。足立区に本社があり区内の工場で製造しているなど一定条件の菓子業者から商品を集め、地元のスーパーなどで共同販売した。

◆地元の民話にちなんだ菓子も

 現在は人形焼きやかりんとう、ジャムサンド、コンペイトー、ウエハースなど40種類弱をそろえる。北千住駅のニューデイズで一部を販売するほか、区都市農業公園などでイベントに合わせて不定期販売もしている。今後は、足立区を舞台にした民話「千住大橋と大亀」にちなんだ菓子も増やす予定だ。  区内での認知度は向上しているものの、他地域への広がりが課題。菓子本舗の運営法人代表理事の宮下さんは「区外の販路拡大も模索している。治安など悪い印象で語られることがある足立だが、お菓子がいっぱいある明るいイメージにしたい」と話す。(山田晃史) 

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