▼長期国債の買い入れ 日銀が金融緩和の手段として金融市場から国債を購入すること。金融市場に資金を供給し、債券価格の上昇を通じて国債の利回りを低く抑えることで金融緩和の効果を出すことが狙い。国債購入でマネーを増やすことは「量的緩和(QE)」とも呼ぶ。

日銀は2001年に量的緩和を導入し、世界で初めて国債買い入れで金融緩和を実施する中央銀行となった。13年4月に異次元緩和に着手し、16年9月に国債の買い入れで長期金利を抑える長短金利操作も導入。日銀による国債買い入れは大幅に増え、保有残高(国庫短期証券を除く時価ベース)は13年3月末の94兆円から23年末に6倍の581兆円となった。国債発行残高に占める日銀の保有割合は23年末時点で約54%にのぼる。

日銀は24年3月に異次元緩和を終了したが、長期金利の急変動を避けるためにそれまでと同程度の月6兆円規模で国債を買い続けている。今後買い入れ額を減らせば、満期を迎えて償還になる国債の額が購入額を上回り、事実上の「量的引き締め(QT)」の段階に移行することになる。

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