参院財政金融委で答弁する日銀の植田総裁(4日午前)

日銀の植田和男総裁は4日の参院財政金融委員会で、日銀の財務状況への配慮などによって「必要な政策の遂行が妨げられることはない」との認識を示した。金融政策の目的は「あくまで物価の安定だ」と強調。経済・物価見通しを巡るリスクが変化すれば「金利を動かす理由になる」と述べた。

長期金利について、植田総裁は「今後も金融市場において形成されることが基本」との見解を示した。長期金利が急激に上昇する場合には「市場における安定的な金利形成を促す観点から、機動的にオペを実施する」と説明した。

金利上昇局面では、日銀から金融機関に支払う利払い負担が増え、日銀の財務状況は悪化する見通しだ。日銀は2023年度の決算で、将来の利払い負担の増加に備えて積み立てる引当金の引当率を引き上げた。22年度は保有国債などから得る収益の50%だったが、23年度は75%とした。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。