ゴールドマンの業績は回復基調(ニューヨーク市)=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米金融大手ゴールドマン・サックスが15日発表した2024年1〜3月期決算は純利益が前年同期比28%増の41億ドル(約6300億円)だった。主力の投資銀行業務の手数料や市場取引から得る収益が回復し、22〜23年の業績不振から脱しつつある。

事業会社の売上高に相当する純営業収益は16%増の142億ドルだった。投資銀の手数料収入は32%増の20億ドル。株式と債券の引き受けがそれぞれ4割前後増えたほか、M&A(合併・買収)助言は24%増だった。堅調な米景気を背景とした企業の買収や資金調達意欲の回復が追い風になった。

市場部門は債券・為替・商品(コモディティー)の取引を担う「FICC」の収益が10%増の43億ドル、株式も10%増の33億ドルと堅調だった。1〜3月期は金利の上昇(債券価格は下落)と株式相場の上昇が進むなか、市場変動の大きさをトレーディングの収益拡大につなげた。

資産運用・富裕層事業の収益も18%増の37億ドルと好調だった。

ゴールドマンは米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げによる投資銀ビジネスの不振に加え、リテール(個人向け)事業の縮小に伴う費用が重荷になり、23年7〜9月期まで2年間にわたり前年同期比で最終減益だった。23年10〜12月期に9四半期ぶりの増益に転じ、24年1〜3月期も回復が続いた。

デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は声明で「引き続き戦略を実行し、中核となる強みに集中する」と述べ、投資銀・市場取引と資産運用を柱として稼ぐ姿勢を強調した。

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