外国人留学生向けの合同企業説明会=2017年11月、大阪市中央区

日本在留の外国人が日本で働きたくない理由として「円安」を最も多く挙げたことが、外国人材の就労支援を行うマイナビグローバルの調査で15日分かった。国内の人手不足の深刻化から外国人労働者受け入れへの動きが進むが、円安による給与などの魅力低下が日本での就労意欲低下に影響している実態が明らかになった。

調査は1~2月、マイナビグローバルのサービスに登録する留学生などを対象に行われ、582名から回答を得た。このうち在留資格が切れた後も日本で働きたいと回答したのは91・0%で、2年前の前回調査から5・8ポイント減少。日本で働きたくない理由としては、「円安」(38・5%)が最も多く挙がった。稼いだ給与が自国通貨換算時に目減りしてしまう円安下が続いており、外国人労働者が日本で就労する魅力が低下している。

また調査では、就職先を選ぶ際に「人間関係の良さ」を重視するとした回答が44・3%に上り、前回調査から27・6ポイント増加した。外国人材にとって、給与水準だけではなく、人間関係を含めた職場環境が就職先を選ぶための重要な要素となってきていることがうかがえる。

日本の今春闘では、人手不足への懸念などから過去最高水準の賃上げが進んだが、外国人材の雇用促進に向けた対策も急務となる。マイナビグローバルの杠(ゆずりは)元樹社長は、今後の外国人労働者の雇用促進に向けて、「給与などの待遇改善と同時に、外国人材との共生を図る職場づくりの必要性も迫られる」と指摘している。(重川航太朗)

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