記者会見する九州FGの笠原慶久社長(13日、熊本市)

肥後銀行と鹿児島銀行を傘下にもつ九州フィナンシャルグループ(FG)が13日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比7%増の263億円だった。経営統合による特殊要因のあった16年3月期を除くと、実質的に過去最高を更新した。人件費やデジタル化などの先行投資がかさんだが、国債等債券損益が71億円の赤字(23年3月期は168億円の赤字)に改善したことが寄与した。

本業のもうけを示す銀行単体のコア業務純益(投資信託解約損益を除く)は、肥後銀が前の期比28%減の160億円、鹿児島銀でも18%減の168億円だった。貸出金利息は増加したものの有価証券利息配当金が減少し、連結の資金利益は3%減の939億円だった。

2行合算の法人向け貸出金残高は、前の期から1687億円増えて3兆9580億円となった。九州FGによると、増加額のうち700億円程度が半導体関連企業向けだという。笠原慶久社長(肥後銀行頭取)は同日の記者会見で「熊本を中心に半導体関連産業の設備投資は活発化している。資金需要は引き続き旺盛だろう」と話した。

25年3月期通期の純利益は、諸経費がかさむことから前期比3%減の255億円を見込む。

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