明治安田生命保険は8日、企業から預かる年金の予定利率を2025年4月に年1.25%から1.30%へ実質的に引き上げると発表した。固定利率を1.25%から0.50%に下げる一方、上乗せで0.80%の利回りを保証する。日銀のマイナス金利解除による金利上昇を織り込み、より高い利回りをめざした運用ができるよう新たな仕組みを整える。
3階建ての商品設計にする。1階部分は0.50%の固定利率とし、3年間一定の利率を保証する上乗せ利率を2階部分とする。上乗せ利率は3年で見直し、25〜28年度は0.80%の利率を約束する。1階部分と合わせた合計の予定利率は1.30%となる。運用成果に応じて支払う配当を3階部分とする。
契約する約2300社の年金基金が対象となるほか、低金利下の運用難で止めていた新規引き受けも9年ぶりに再開する。
運用残高に応じて課す手数料率は引き下げる。残高1000万円以下で0.58%から0.40%、1000万超〜5000万円の残高では0.52%から0.40%とする。固定利率を0.50%とすることで、手数料率が固定利率を上回る事態を解消するためだ。
明治安田生命は前身の会社だった1960年代に団体年金の取り扱いを始めた。当初の予定利率は5.50%だったが、10年物国債の利回り低下に応じて段階的に予定利率を下げてきた。低金利下の運用難で苦戦を強いられてきた。
固定利率を引き下げる半面、2階建て部分に相当する上乗せの利率を柔軟に変えてより高い利回りを確保する運用をめざす。日本国債や国内企業の社債といった円金利資産に加え、海外株などリスクが比較的高い資産への投資で運用成績の向上を図る。結果的に従来の予定利率である1.25%を上回る利回りを継続できるようにする。
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