藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(34)が挑戦する第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力)の第3局2日目の9日、プロ棋士による大盤解説会が対局会場となっている大田区の羽田空港第1ターミナルで開かれた。約200人のファンが解説に耳を傾け、熱戦を見守った。
空港内の施設で将棋の対局が行われるのは初の試み。大盤解説会の会場となったターミナル内の「ギャラクシーホール」からは飛行機が離着陸する様子が見られ、参加者の目を楽しませた。参加券は先着順で、発売後数分で売り切れる人気ぶりだった。
会場には対局室と解説盤を映す大型モニターが設置され、阿久津主税八段が貞升南女流二段を聞き手に、1日目の盤面から対局者の狙いなどを説明した。阿久津八段は「藤井名人は先手らしく積極的な駒組み。豊島九段は劣勢ながら粘り強く戦っている」と両対局者の姿勢などについて語った。
副立会人の佐々木勇気八段と阿部光瑠(こうる)七段は、副立会人の仕事の苦労話や対局前のコンディションの整え方について冗談を交えながら話し、会場を大いに沸かせた。登壇した立会人の佐藤康光九段は「対局にはエネルギーがいる。私も対局後は1、2キロ体重が落ちる。ペース配分が重要」と話した。
神奈川県横須賀市の60代の女性会社員は「1日目は見ることができなかったが、阿久津八段の解説が分かりやすく、よく理解できた」。初めて大盤解説に参加した杉並区の40代の男性会社員は「生で憧れの棋士の解説で名人戦を見られてうれしかった」と話した。【白川徹】
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