銀河戦決勝に臨む藤井聡太名人(左端)と丸山忠久九段(右端)=東京都渋谷区の将棋会館で2024年9月27日(日本将棋連盟提供)

 将棋の第32期銀河戦(囲碁・将棋チャンネル主催)の決勝が21日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で先行配信され、前期優勝の丸山忠久九段(54)が前期に続いて藤井聡太名人(22)に勝ち、連覇を果たした。

 銀河戦は持ち時間の短い早指し棋戦。丸山九段は決勝までの4局で全て後手番を引き、得意戦法の一手損角換わりで制した。しかし、藤井名人は安定感のある内容で勝ち進んでおり、「自分がどこまで指せるかでいい勝負になるかどうかが決まる」と意気込んで決勝に臨んだ。

第32期将棋銀河戦決勝で藤井聡太名人に勝利し、取材に応じる丸山忠久九段=東京都渋谷区の将棋会館で2024年9月27日、新宮巳美撮影

 決勝は9月27日に東京都渋谷区の将棋会館で指され、形勢が二転三転する激戦を丸山九段が制した。2年連続で決勝で藤井名人を破っての優勝に「出来過ぎで偶然結果が出た。年齢的なことを考えても、藤井名人とあとどれだけ対局できるか分からないので、その機会を大事にしていきたい」と控えめに喜んだ。12月4日にはシニア棋戦「達人戦」でも優勝しており、棋戦優勝は今年度2回目。

鍛えているという丸山忠久九段の腕=東京都渋谷区の将棋会館で2024年9月27日、新宮巳美撮影

 筋トレにも力を入れ、駒を持つ右腕の二の腕は鍛え上げられた筋肉で半袖シャツがはち切れんばかり。「将棋は成長しなくて大変。筋肉は50代で1年で1%くらいは落ちるというが、鍛えればプラスにできる」と誇らしげに語る。本業の将棋は「若い者には負けないという気持ちはなく、若い人に教わる思い。50代は無理してもよくないので、無理しないで頑張るのが大事」と無欲の“丸山節”をふるった。

 銀河戦連覇は羽生善治九段(54)に次いで2人目。来期は羽生九段も成し遂げられなかった3連覇が懸かるが、「全然考えていない。とりあえず1局勝って2回指せればいい」とマイペースだ。

 決勝の模様は、24日夜に同チャンネルでも放送される。【丸山進】

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