東京都葛西臨海水族園をはじめ数多くの建築物を設計し、国際的にも活躍したモダニズムの建築家、谷口吉生(たにぐち・よしお)さんが16日、肺炎のため死去した。87歳。葬儀は近親者で営む。「メモリアルの会」を後日開く予定。
東京出身。父は建築家の谷口吉郎。慶応大、米ハーバード大大学院を卒業後、東京大の丹下健三に師事。1980年、優美な曲線と正方形を組み合わせた資生堂アートハウス(静岡)で日本建築学会賞を受賞し、頭角を現した。
90年、八角形のガラスドームが特徴の東京都葛西臨海水族園で毎日芸術賞を受賞。素材の質感を生かしたシャープな造形と繊細なディテール、周辺環境と調和する空間構成に定評があり、香川の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館や東京国立博物館法隆寺宝物館など話題作を次々に手掛けた。2004年、米国のニューヨーク近代美術館(MoMA)の増改築を完成させ、海外でも注目を集めた。
他の代表作に土門拳記念館(山形)、豊田市美術館(愛知)など。14年に開館した京都国立博物館平成知新館は京町家のイメージを取り入れ「現代的和風」の新境地を見せた。日本芸術院賞、高松宮殿下記念世界文化賞など受賞多数。21年文化功労者。
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