1枚の写真から街を再発見!兵動大樹の今昔さんぽ。
1963年(昭和38年)に大阪市住吉区で撮影されたという、「田植え」の写真。撮影された場所を探す旅に、南海・粉浜駅前から出発します。
【兵動大樹さん】「田植えなさっている。何かの神事なのか、ギャラリーの人がすごいいる。やぐらの上でも何かしてはる。『誰が田植え早いねん選手権』ではないやろな」
■写真を見た地元の方「住吉大社の御田植神事」とすぐ分かる
粉浜駅前の商店街の歴史は明治時代にまで遡ります。住吉停留場の跡地にお米屋さんが中心となって開業。その後、1番街から5番街を合併し、現在では100軒以上のお店が軒を連ねる商店街になっています。
商店街で聞き込みを始めてすぐ、街の人が「これ住吉神社。『御田』やね」と話してくれました。住吉大社で6月に行われている「御田植神事」なのだといいます。
住吉神社へ向かうと、途中に鉄板焼きやちゃんこ、お茶屋さんなど16店舗が軒を連ねる、「汐かけ横丁」がありました。ことし7月住吉公園に新設された施設で、住吉大社に続く石畳の参道「汐かけ道」から名付けられたそうです。
横丁にある「お団子カフェ 兎茶や」の木野武尊さんに話を聞くと、大きな神社では門前町・鳥居前町が発展しているところも多いですが、住吉大社の参道にはあまりお店がなかったことから、地域の方も協力してくれて盛り上げていこうとなったということです。
■「御田植神事」は鎌倉時代から続く住吉大社の神事
1800年以上の歴史がある住吉大社。お正月の三が日には200万人を超える参詣者でにぎわいます。
権宮司の岡康史さんに写真の神事について伺いました。
御田植神事とは、鎌倉時代から続く住吉大社の神事。神功皇后が田んぼを造らせたのが始まりとされ、田や植え付けする苗に宿る穀物の力を増やすために、歌や舞を演じ、毎年6月14日に盛大に行なわれているそうです。
刈り取ったお米は、毎年11月23日に「新嘗祭(にいなめさい)」が行われ、神様にお供えされ、宮中にも献上されます。さらに、毎月初めの辰の日に行われる「初辰参り」では、祈願した方にもお裾分けしてもらえるんです。
【権宮司 岡康史さん】「田植えは重労働でございますので、にぎやかに歌ったり踊ったりしながらいろんな行事があります。地域の方の『田植踊』や、農家で歌い継がれている『田植歌』があり。そういったものを歌っていただく。あと女のお子さんに田植えの所作の踊りをしていただいたり」
■今も伝承される「田植歌」
伝承される「田植歌」については、歌い手の西山多賀子さんと西山経代さんが教えてくれました。
一時は録音したものを流していたそうですが、生で歌った方がいいだろうと、お二人で歌うようになったのだそうです。ちょっと聞かせていただくと…
「♪神の田植えに目に立つものは並ぶ乙女の赤だすき…」
この田植歌が終わるまでに田植えは終了します。
■昔から変わらずお米が育てられる「御田」
「御田」は住吉大社の境内の南側にあり、昔から変わらない場所でお米が育てられています。
【兵動大樹さん】「地元の皆さんが楽しみにしている住吉さんの田植えの神事でした。参道にすてきなお店もいっぱいできたし。来年は初詣して、楽しい一年にしましょう」
▼兵動さんの今と昔を探る旅の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
https://youtu.be/iKPQ0pqVCZ0
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」 2024年12月13日 金曜日放送)
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