島根県松江市の中海に浮かぶ島「大根島」の名前について、実は大根「じま」なのか「しま」なのか、使う人によって分かれています。実際はどちらが正しいのか取材しました。

村上遥アナウンサー:
松江市の中海に浮かぶ島、この島は大根「しま」と読むのか、「じま」と読むのか徹底調査したいと思います。

まず向かったのは、この島にある松江市の八束公民館。島で生まれ育ったという池田館長に聞きました。

村上遥アナウンサー:
早速ですが館長なんと読みますか。

松江市八束公民館・池田均館長:
私は大根「しま」と言っています。

幼い頃から「だいこんしま」と言っていたそうです。

一方、公民館のお隣りの松江市の八束支所で聞いてみると…。

松江市八束支所の職員(松江市美保関町出身):
だいこん「じま」と読みます。ここに来たらだいこん「しま」と言っています。

島の出身ではないこちらの職員は、「じま」と読んで修正された経験もあるといいます。

松江市八束支所の職員(大根島出身):
だいこん「しま」ですよ。やはりそれは訂正していかないといけないと思う「しま」で統一です。

市の教育委員会が発行している小学生用の副読本や離島に関する調査・研究や情報収集をしている日本離島センターが発行した本でも大根「しま」と表記されています。

「しま」と「じま」、両論出揃ったところで目にしたのがこちらの看板。クラフトビールの醸造所です。

大根島醸造所・門脇淳平代表:
ここは「だいこんしま醸造所」です。

正式な名前は濁りませんが…。

醸造所のスタッフ(広島県出身):
だいこんじまです。

村上遥アナウンサー:
自分の働いている場所の名前知ってますか。

醸造所のスタッフ(広島県出身):
大根…あ、今日知りました。

県外出身のスタッフは、日ごろ「じま」と呼んでいました。さらに…。

村上遥アナウンサー:
「DAIKONJIMA(ダイコンジマ)」とローマ字で書かれています。

県道に設置されたこの標識は「じま」を採用していますが、他のところでは「しま」を採用しているものも。いずれも島根県が設置したものですが、なぜ2通りの読み方が存在するのでしょうか?
県の説明によると、元々多くの標識で「じま」が採用されていましたが、2014年、観光案内板や標識の外国語表記を統一する指針が観光庁から示され、県もこれに基づいて県道の名称「大根島(しま)線」が濁らないのにあわせて、ローマ字表記の修正を進めてきましたが、この標識だけが変更されないまま残っているのだといいます。

一方、こんなところも…。

大根島郵便局・吉岡聡局長:
大根島(じま)郵便局です。その時の局長が、その言い方だったのかもしれません。

1914年に今の場所に移転し、その時に「大根島(じま)郵便局」という名前が付けられました。

大根島郵便局・吉岡聡局長:
公民館長には会いましたか?館長はどちらでしたか?

村上遥アナウンサー:
「しま」でした。

大根島郵便局・吉岡聡局長:
「しま」ですか…。

島の中では結論が出ず…江島大橋を渡って境港市で聞いてみると…境港市民は「
だいこんじま」と答えた人が多く、大根「じま」が浸透しているようです。

村上遥アナウンサー:
入社30年以上の大先輩のアナウンサーにも聞いてみたいと思います。山根アナウンサーこれはなんと読みますか?

山根収アナウンサー:
これは「だいこんしま」です。30年間「だいこんしま」と読んで来ました。

NHK松江放送局も自治体に確認した上で「だいこんしま」と読んでいるということです。

最後に、国内のすべての地図の基礎となる地図を作成し、「地名の権威」ともいえる国土交通省の特別機関「国土地理院」に確認すると…「大根じま」との回答が。合併前の「八束町」時代に「大根島(じま)」と登録され、変更されないままだということです。かつては「じま」と濁るのが主流でしたが、最近は濁らない「しま」が広がりつつあるようです。

大根島出身の高齢男性:
どっちも一緒。だいこんじまと言ったりだいこんしまと言ったり…。

村上遥アナウンサー:
好きな風に呼べば良い?

大根島出身の高齢男性:
そげそげ(そうそう)

というわけで結論は…「どちらでもよい」のですが、TSKでは地元の松江市八束支所の見解に基づいて「大根しま」とお伝えしていきます。

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