誰もが映画を「見て」「作って」「語らって」幸せに--。福岡市内の3会場で映画を楽しむ「ふくおか国際映画祭 With Everyone」が6日始まった。九州大大橋キャンパス(福岡市南区)であった開会式には、日本映画界を代表する是枝裕和監督や俳優の常盤貴子さんも駆けつけ、開幕を喜んだ。8日まで。
映画祭は、11月末から市内各地で開催されている「FUKUOKA Christmas Festa 2024」のプログラムの一つとして、一般社団法人「クリエイティブ共生都市」(代表理事、近藤加代子・九州大教授)が主催した。
「子どもたちに、ズキズキわくわくの映画体験を届けよう!」をテーマに「奇跡」(是枝監督)や「窓ぎわのトットちゃん」(八鍬(やくわ)新之介監督)など、子どもたちに見てほしい計16作品を各会場で上映している。
是枝監督は映画祭のアドバイサーを務めている。「万引き家族」や「ベイビー・ブローカー」などで、さまざまな環境下で生きる人々のリアルな姿を描いてきたが、是枝作品の大ファンだという近藤教授の熱烈なオファーで実現した。
「Christmas Festa」では、市内の飲食店などに開設された「まちじゅう子ども食堂」で、子どもたちは料理を堪能することができる。開会式で是枝監督は「まだ始まったばかりの映画祭だが、良い一歩目を踏み出せたのではないか。子どもたちにはおいしいごはんを食べた後に、映画館に集まってほしい」と呼び掛けた。
常盤さんも「今日まいた種が、皆さんの心の中で大きく花開いていくことを願っている。ここから始まる映画祭のストーリーに期待したい」と祝った。
期間中は「奇跡」の出演俳優が対談する「同窓会」などのイベントもある。高校生以下はチケット無料だが、事前予約が必要。詳細は公式ホームページで確認できる。【日向米華】
「みんなで映画見た」積み重ねて
開会式後に是枝監督は報道陣の取材に応じ「映画館」への思いなどを語った。発言要旨は次の通り。
映画館という場所で他の人と映画を見て、同じ所で笑ったりという経験はすごく大きい気がしている。映画を見て楽しかったという時間になってくれたらうれしい。原体験としてみんなで映画を見たという体験をもっと積み重ねないと、次の映画ファンも育っていかない。映画館の1階にいろいろな食堂が並び、食べながら映画を見る。食べに来たついでに見た映画が面白かった、という出会いも良いのではないか。
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