みこしの激しいぶつかり合いで知られる、兵庫県姫路市の「けんか祭り」。

この祭りに初めて挑戦した、19歳の若者に密着しました。

■力いっぱい“みこし”と“魂”をぶつけ合う男たち

「ヨイヤサー!ヨイヤサー!」

響き渡る、熱いかけ声。

“壊せば壊すほど神様が喜ぶ”。男たちはそう信じて、力の限り、みこしをぶつけ合っているのです。

100年以上続く神事、「灘のけんか祭り」。

10月15日に行われた「潮かきの儀」では、冷たい海の水をかけて、体を清めていました。

けんか祭りでみこしの担ぎ手になれるのは、18歳以上。

姫路で生まれた中居竜星さん(19歳)は、今年が初参加です。

【中居竜星さん】「危険な部分も楽しいと聞いて、参加しようと思いました」

「子供の頃はおじいちゃんが結構(参加)していて、小さい頃はずっと見ていました。汗水流して担ぐ姿を見て、やっぱりかっこいいなと思って、僕もやろうかなって」

危険が伴うからこそ、熱心に練習を重ねます。

「ヨーイヤサー!」
「もうちょっと離れようか」
「ゆっくりでええぞ!ゆっくりで!」

みこしの練習では、激しい祭りの中で身を守るすべを教わるのです。

「手もあれやで、中に入れとる方がええで。肩だけ入れとったらええ」

■「ちょっと不安」ついに本番 みこしが転倒する場面も…

いよいよ、けんか祭り本番。

【中居さんの母】「気をつけて。けがしないようにね」

【中居竜星さん】「本番がちょっと不安ですけど。緊張してます」
「一年で一番、大切な日ですね」

「ヨーイヤサー!」と大きく叫びながら“われ先に”と、みこしに押し寄せる担ぎ手たち。担ぐ場所の奪い合いです。

中居さんは勢いに圧倒されながらも、負けじとみこしにたどりつきました。

勢いあまって、みこしが転倒する場面も…。

そんな中、何度もみこしを担ぎ、中居さんも男衆の仲間入りです。

【中居竜星さん】「怖かったんですけど、やっぱり楽しさが勝ちましたね。楽しかったです」
(Q.今日の自分の点数は?)
「120点です」

魂がこもった「けんか祭り」。若い力が歴史を受け継ごうとしています。

(関西テレビ「newsランナー」2024年11月5日)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。