11月1日は「本の日」です。日付の11と1が本棚に本が並ぶ姿に見えることから、全国各地の老舗書店らがこの日に制定しました。そんな「本の日」に合わせて、福井市内に本社のある勝木書店グループは、書店員が厳選した文庫を紹介するユニークな取り組みをおこなっています。
       
福山千奈アナウンサー:
「カボスコレクション2025の金賞が今日発表されます。はたして、今年はどのような作品が金賞に選ばれるのでしょうか?」
 
「カボスコレクション」とは、勝木書店グループの県内外にある19店舗すべてが参加して行うキャンペーンで、5年目を迎えました。
 
店員が持ち寄ったお薦めの文庫本を、社内投票で最終的に10作品に絞り込み、店員のコメントを載せた帯を付けて19店舗全てで販売するものです。

この企画の発案者の1人、樋口麻衣さんは「ベストセラーといわれるような作品ではなくても素敵な作品は本当にたくさんある。そういう作品に私たちの手で光を当ててお客様が手に取るきっかけを作りたい」と話します。
 
カボスコレクションは、文庫本であればジャンルは問わず、寄せられたのは60作品。社内投票の結果、最終10作品に残ったのはすべて小説でした。
 
戦国武将が成り上がる様子を描いた木下昌輝さんのデビュー作、時代小説「宇喜多の捨て嫁」、看護師でもある藤岡陽子さんの「きのうのオレンジ」は、がん宣告を受けた主人公と家族の感動物語などです。
 
これらの10作品は2カ月間店頭に並べられ、1番販売数の多い作品が金賞となります。そして、発表された金賞作品は、青木知己さんの「Y駅発深夜バス」でした。
 
樋口麻衣さんは、「5つのミステリーが収められています。短編集ですので読みやすいというのはもちろん、一番のおすすめポイントは1つ1つの作品すべて趣向が違っているところ。一人の作家さんがこれをすべて書かれたのは本当にすごいこと」と評価しました。

きっかけさえあれば手に取ってもらえる本はまだまだある。近年、読書離れが進む中、改めて本の魅力について樋口さんは「小さい本の中に色んな世界が広がっているのが魅力。ノミネート作品すべて私たちが素敵だと思った作品です。手に取っていただくきっかけを作ることで素敵な出会いになれば」と話し、読者と本をつなげたいとしてます。
 
「カボスコレクション」の金賞作品は向こう1年間店頭に並ぶ予定です。
       
尚、過去の金賞作品はすべて2000冊以上販売し、重版を繰り返す異例の売れ行きです。特に2023年に大賞を受賞した「分身」というミステリー小説は、勝木書店年間ベストセラー文庫部門)で、有名作家の作品をおさえ1位を記録しています。

また、金賞に選ばれた作品は「カボスコレクション金賞」として全国の書店で販売されたこともあるということです。

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