NHK大阪放送局は29日、2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」で、ヒロイン・松野トキ役に、高石あかりさん（21）が決まったと発表した。2892人が応募したオーディションで選ばれた。この日の記者会見で高石さんは「皆さんが温かい気持ちになったり、寄り添えたりできる作品になるよう精いっぱい頑張りたい」と意気込みを語った。
幼いころから俳優を志していたという高石さん。小学4年の時に、尊敬していた担任教師から「あなたが朝ドラのヒロインになる姿を見たい」と言われてから、朝ドラヒロインは夢だったという。過去に2回、ヒロインのオーディションを受けたが涙をのんでおり、ようやくつかんだ大役。会見では感極まり、涙を流した。
トキは「怪談」で知られる明治の文豪、ラフカディオ・ハーン（小泉八雲）の妻・小泉セツがモデル。明治時代の松江などを舞台に、埋もれてきた名もなき人々の心の物語を語り紡いだ夫婦の物語を描く。原作はなく、脚本はNHK「阿佐ケ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」などを手掛けた、ふじきみつ彦さんが担当する。
会見に同席したふじきさんは「良くも悪くも、朝ドラは（俳優にとって）代表作になる。『ばけばけ』でヒロインができて良かったと思ってもらえるような作品にしたい」と力を込める。高石さんは「私自身、何者でもないけど、いろいろな学びや人との出会いで化けていく姿を皆さんに届けたい」と述べた。
高石さんは宮崎県出身。映画「ベイビーわるきゅーれ」シリーズで主演するなど注目を集めている。【谷口豪】
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