NBSで放送した山岳医療がテーマのドラマ「マウンテンドクター」。主演の杉野遥亮さんと監修した国際山岳医が10月6日、トークショーを行い、撮影の舞台裏やドラマにかけた思いを語りました。
■若き「国際山岳医」の成長など描く
長野県松本市で開かれたアウトドア用品のイベント。多くのファンが待っていたのは、俳優の杉野遥亮さん(29)です。トークショーに登場しました。
杉野遥亮さん:
「どうか最後までよろしくお願いします」
司会:
「ご来場の方で『マウンテンドクター』見てたよ、という方、どれくらい」
杉野遥亮さん:
「ありがとうございます。すごい!うれしい。ありがとうございます」
NBSで放送された「マウンテンドクター」。杉野さん演じる若き「国際山岳医」の成長などを描いたドラマで県内各所で撮影が重ねられてきました。
千葉県出身の杉野さん。山に触れる機会は少なかったそうですが。
杉野遥亮さん:
「(山に)もともと興味はあったので、お話をいただいた時に、僕も自然豊かなところで撮影をすることはすごくうれしいことですし、大変なことはいっぱいあるだろうなとは思いましたけど、チャレンジしてみたい気持ちでお引き受けしました」
松本協立病院・市川智英医師:
「第一印象はすごく真面目な方だなと思って」
杉野さんと一緒にトークしたのは、ドラマの医療監修を担当した松本協立病院の市川智英医師(44)。国際山岳医の資格を持つまさに「リアル・マウンテンドクター」です。
松本協立病院・市川智英医師:
「こういうドラマをやってもらえることで、『山岳医療』という言葉をいろんな人に知ってもらえる貴重なチャンスだったので、(監修の依頼を受ける上で)そこが一番大きかった」
■北アルプスでの撮影は
2人でドラマについて語り合いました。信州での撮影は約3週間。実際に登って撮影した北アルプスではー。
杉野遥亮さん:
「唐松岳(2696m)かな。山登り自体、そんなにしたことがない。少数精鋭でですけど5時間ぐらいかけて登って、山頂で晴れ間でちゃんと撮れないと、もう一回、5時間かけて下りて、もう一泊して次の日もアタックするって聞いていて。そんなこと無理だなと思ったので、その何分間の晴れ間を皆でがんばって狙って、何とか撮れたという感じ」
「『懸垂下降』といって、あらかじめすごく練習させてもらって、実際に現場に行ったら練習している環境とは全然違うので、自然が相手だとなかなか演技がうまくできない。山で撮影するとなったら、演技しようと思ってできるものではないなと思いましたよ。大自然だったりするので、そこでどうやって自分が感じられるか、どうやって動けるか、その場に行ってみないと分からない」
松本協立病院・市川智英医師:
「今回、いろんな俳優さんが心臓マッサージするシーンがあるんですけど、後から放送を見て、ほめすぎだって言われるかもしれないんですけど、杉野さんが一番上手になった」
杉野遥亮さん:
「本当ですか。めちゃめちゃ心臓マッサージやりましたからね、僕。みんな倒れちゃうから」
ドラマにも登場した「山岳診療所」。市川医師は、「赤岳鉱泉山岳診療所」で実際に診療をしています。
松本協立病院・市川智英医師:
「うちは基本的にはファーストエイドをメインでやっているので、病院にあるような医薬品、点滴は基本、置いていないんですね」
医師や看護師はボランティアで、備える医療資材は必要最低限。ドラマのように、消防防災ヘリと連携して医師が搭乗することは実際にはありません。ドラマは市川医師の「理想」が込められていました。
松本協立病院・市川智英医師:
「近未来の、僕がこうなったらいいなと思っている山岳医の姿を、皆さんに描いてもらった。山の中から一人の患者さんを助け出すというのは、なかなか一人の人間ができるものではなくて、山岳救助隊、遭対協・山小屋の関係者、山岳医・街の病院があって、連携があって初めて人を助けられるんですよという話を何度も監督、プロデューサーにさせてもらって、結果的にそういう話を描いてもらえたので、とてもありがたかった」
■信州のファンに いつか恩返しを
撮影を通じて信州の山・自然に触れた杉野さんはー。
松本協立病院・市川智英医師:
「杉野さんも、撮影中ちょっと話した時に、今後も山登りたいみたいな話ししましたよね」
杉野遥亮さん:
「そうなんだよ。山に登っている人、いい人多いんですよ、優しい人とか。人間として豊かになりますよ、すごく。しんどいなとか、苦しいなって思っていることは、ちょっと減ったりすると思う、日々の中で」
松本協立病院・市川智英医師:
「ぜひ、一緒に行きましょうよ」
杉野遥亮さん:
「誰?市川先生と?何かあったら助けてくれますしね。その時はよろしくお願いします」
杉野遥亮さん:
「行く前は『がんばらないと』とか、そういう意見が(クルーの中で)多かった気がします。けどね、3週間経った頃には逆で、『帰りたくないね』みたいな。逆に東京に行くと気が入らない、みたいな。それは、この自然環境、空気もきれいだし、食べ物もおいしいし。僕なんて、ずっと長野の賃貸を調べていましたからね、白馬の方の」
そばや馬刺しも味わい、すっかり、信州のファンになった杉野さん。役の幅を広げることができた、思い出の地になったようです。
杉野遥亮さん:
「(信州の魅力を)大事にしてほしいなと思いました、ここに住んでいる方、特に。自分も何かいつか恩返しできたらなと思いますしね」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。