愛媛・松山市中心部の秋祭りがクライマックスを迎えた。
雨天にもかかわらず、祭りを待ちわびる人々の期待感が街を包み込む中、夜明け前から繰り広げられた勇壮なみこしの競演。道後の白熱の鉢合わせを、その熱気と興奮とともにお届けする。

夜明け前、期待に満ちた道後のまち

2024年10月7日午前4時。まだ薄暗い道後のまちは、すでに祭りの開幕を待ちわびる人たちの期待感にあふれていた。

夜明け前から熱気に包まれていた道後のまち
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松山からの見物客は「元々お祭りが好きで、見に来るのが久しぶりなのでドキドキしています」と興奮を抑えきれない様子で語った。

香川・高松から訪れた男性も、「このまちは、非常に奥ゆかしいまちだし、文学のまちでもある。たぶんいいお祭りをやってるんだろうなという期待を込めて来ました。ものすごく楽しみにしてますよ」と目を輝かせながら期待を込めて話した。

午前4時半、揃いの法被に身を包んだかき手たちが参道を登り、次々と神社に集まってきた。宮出し前の境内は太鼓の音が鳴り響き、厳かな雰囲気に包まれた。

勇壮な宮出しと熱気あふれる会場

いよいよ神輿の宮出しの時が来た。

みこしを担いだかき手たちは、雨に濡れた石段を声を合わせ、一歩一歩下っていく。道後温泉駅前の会場には、勇ましい掛け声とともに道後八町会のみこし7体が次々と入場してくる。大勢の観客が見守る中、かき手たちの気合も十分だ。

湯之町大神輿のかき手たちは「勝つ!2本取るよ」「負けたらいかんけん」「湯之町が一番じゃーい!」と意気込みを語った。

小唐人大神輿のかき手たちも負けじと「ぜーんぶぶっ飛ばします」「小唐人心一つによいやよいや」と声を張り上げた。

白熱の鉢合わせ、男たちの意地がぶつかり合う

午前7時、会場のボルテージは最高潮に達する。いよいよ道後の鉢合わせが幕を開けた。次々と繰り広げられる熱い戦いの様子を追っていこう。

1.湯之町大神輿 VS 溝辺町大神輿
2.道後村大神輿 VS 小唐人大神輿
3.築山大神輿 VS 北小唐人大神輿

みこし同士が激しくぶつかり合う鈍い音と男たちの掛け声が響き渡る。

4.溝辺町大神輿 VS 持田大神輿
5.湯之町大神輿 VS 北小唐人大神輿

かき棒が折れてしまう

激しい鉢合わせで、太さ20cmはあるかき棒が折れてしまう場面も。

6.小唐人大神輿 VS 築山大神輿
7.道後村大神輿 VS 持田大神輿

それぞれの町の威信をかけた男たちの意地とプライドのぶつかり合い。会場を訪れた人たちからも歓声が飛び交う。

大洲から来た女性は「めっちゃかっこよかったです。音大きくて、ドンとくる感じでした。体でぶつかっていく感じ、おみこしをぶつけていく感じがめっちゃかっこよかったです」と興奮気味に語った。

お父さんの姿を見た兄弟も「楽しかった、それだけです」「(お父さんは)かっこよかったです」と感動の面持ちで話した。将来はお父さんとみこしを担ぎたいかと聞かれ、兄弟は「うん」と力強くうなずいた。

勇壮な総上げと かき手たちの達成感

最後は7体全てのみこしが広場に集まり、勇壮な総上げが披露された。雨にも負けず、かき手たちの熱気は最後まで冷めることがない。

溝辺町大神輿のかき手は「いやもうめちゃくちゃ気持ちよかったですね。雨だったんですけどよかったです」と満足げな表情で語った。

道後村の大神輿会のかき手たちも興奮冷めやらぬ様子で「最高です。もうその一言だけですね」「最高でーす、一心同体!真面目なこと言うとすごい勝ててうれしいです。来年こそは3本取るので応援よろしくお願いします」と語った後、「職業は?」というヤジに「幼稚園の先生です」と答え、会場を沸かせた。

松山の街が祭り一色に染まった3日間。
クライマックスを迎えた早朝の道後には、雨にも負けないかき手と観客たちの熱気が渦巻いていた。

(テレビ愛媛)

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