大野市在住の木工作家・小島尚さんが、建築の現場で捨てられてしまう木材や間伐材などを使った作品展を開いています。作品には、小島さん独自の目線で捉えた木の魅力があふれています。
  
ギャラリーにいっぱいに吊るされているのは「かんなくず」です。やヒノキやスギなどの大きな「かんなくず」を木漏れ日に見立ています。
  
この企画展を開いたのは、大野市在住の木工作家・小島尚さんです。東京出身の小島尚さんは、ろくろを使って木を削る木地挽きに取り組むため、2007年、自然豊かな大野市に移住し木工作品を作り続けてきました。
  
今回の作品展では、木そのものの形や風合いを生かした作品を展示しています。「ごちそうさま」という作品では、表面を虫たちがかじった木をアートに見立てました。
 
また、トチの木の廃材を利用した「九頭竜」という作品は、木目の中から9つの竜の姿を見出し、煤(すす)などを使って浮かび上がらせました。
 
小島さんは「(木と向き合うことは)友人と話している感じではあるが、ある程度客観的な部分もあり、どうやって人に伝えていこうとか、山が良い状態になったらいいとか、そういうことも同時に考えている」と話しています。
  
会場にはケヤキやヒノキ、ヤマザクラなどを触って重さや香りを感じられるコーナーもあります。

「香りや手触りを通じて、親しみや心の距離というか、少しでも(来場者と木が)近付いたらうれしい」と話す小島さん。作品展「素材と対峙する・わたし」は、大野市のCOCONOアートプレイスで11月24日まで開かれ、5日は小さな木工作品作りが体験できるワークショップも開かれます。

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