棋士編入試験の第2局で敗れ、対局を振り返る西山朋佳白玲=東京都渋谷区の将棋会館で2024年10月2日午後5時48分、前田梨里子撮影

 将棋の女流棋士、西山朋佳白玲(29)の棋士編入試験第2局が2日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、白星スタートを切った西山白玲は山川泰熙(たいき)四段(26)に104手で敗れ、1勝1敗となった。試験では全5局で3勝すれば合格となり、初の女性の「棋士」が誕生する。上野裕寿四段(21)と対戦する第3局は、11月に大阪市福島区の関西将棋会館で行われる。

 山川四段は2024年4月にプロ入りしたばかりの新人。先手番の西山白玲は、先月下旬に新型コロナウイルスに感染し、対局中も時折せき込みながらも、中飛車戦法を採用して終始強気の攻めを見せたが、山川四段の手堅い指し手に屈した。

 終局後、西山白玲は「経験のある形ではあったが、精度の低い手を重ねてしまった。体調が悪い中でもできることをしようかと思っていた。次はしっかり棋力の出せる状態に持っていきたい」と力なく語った。山川四段は「ずっと難しい将棋で読みにない手も指され、得るものがあった一局だった。西山さんは序盤も洗練され、中終盤は指し手の力強さや読みの精度の高さを感じた」と振り返った。

 「棋士」になるハードルは高く、今まで女性が棋士になった例はない。「女流棋士」は1974年に生まれた制度で、段位の仕組みも棋士とは異なる。女性が編入試験に挑むのは22年に不合格となった福間香奈清麗(32)に次いで2人目。【丸山進】

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