記者会見を前に花束を受け取る藤井聡太王座=京都市で2024年10月1日午前9時7分、新土居仁昌撮影

 将棋の第72期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)で永瀬拓矢九段(32)の挑戦を3連勝で退け、初防衛した藤井聡太王座(22)は1日朝、対局場となった京都市内のホテルで記者会見に応じ、「充実したシリーズだった。経験を今後に生かしたい」と語った。また、進行中のALSOK杯第74期王将戦リーグ(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛)について、7人のリーグ参加棋士の中に振り飛車党が2人いることに触れ、「多様な戦型が見られると思い、注目している」と話した。主なやりとりは次の通り。【新土居仁昌】

 ――今期王座戦は3局とも角換わりの戦いになったが、予想していたか。

 藤井王座 結果としては3局とも角換わりになったが、事前に想定していたわけではなく、永瀬九段はいろんな戦型をされているので、いろいろな戦型があるのかなとは考えていました。ただ、角換わりでもそれぞれ違う展開になったので、特定の形の中で細かく工夫するというよりは少しずつ違った形になったのかなという感触を持っています。

 ――昨夜の(終局後の)会見では前期の王座戦と比べて将棋の内容で成長を実感できたと話していたが、この1年で将棋以外で成長を感じる部分はあるか。

 ◆(苦笑して)なかなか明確に成長を実感したというのは難しい気がします。最近は運動や体力作りを少しずつしていければと思っているんですが、まだ具体的成果はそれほど上がっていないかなという感じもするので、1年後にはそこでも成果があったと思えるように少しずつ取り組んでいければと思っています。

 ――今日10月1日で今年度も後半に入った。上半期を振り返って。

 ◆上半期を振り返るといろいろな戦型を指してみたところがあって、結果としては思わしくないところもありましたけど、対局の内容としてはいい経験が積めているのかなと感じています。

 ――春夏と秋冬ではどちらが好きか。

 ◆秋冬の方が過ごしやすくて好きではあるんですが、ただ、対局の結果の傾向とはあまり関係がないかなとは思っています(笑い)。

 ――運動の秋、読書の秋、食欲の秋とあるが、どんな秋にしたいか。

 ◆食欲はほどほどにして運動の機会を増やせればと思っているんですけど、ただ、すぐに竜王戦も開幕するので、まずはそちらで充実した良い内容の将棋を指していきたいということを一番に思っています。

 ――進行中の王将戦リーグで注目しているところは。

 ◆今期も当然ながら注目のカードがそろっている。振り飛車党の方が2人(菅井竜也八段と西田拓也五段)入っているので、戦型に関してもけっこう多様なものが見られるのかなと思っています。注目して見ていきたい。

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