藤井名人が午後に注文したおやつ「成田産さつまいものショートケーキ」=千葉県成田市の成田山新勝寺で2024年4月23日午後3時3分、渡部直樹撮影

 千葉県成田市の成田山新勝寺で23日、始まった第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、同市など地元主催)の第2局。棋士たちが口にする食べ物にも注目が集まった。おやつの時間は午前10時と午後3時に設けられ、対局者は10品の中から好みのものを選んだ。市などは市内の菓子メーカーなどから応募のあった32品からインターネット投票や試食などを重ねて厳選し準備した。

 藤井名人が午前のおやつに注文したのは「黒平(くろべら)まんじゅう」。製造する「菜花(さいか)の里」の須賀沢葉子さん(68)は「トップバッターなんて衝撃。名人には、ほどよい甘さが売りの黒糖まんじゅうで、糖分を補給して頑張ってほしい」とエールを送った。

藤井名人の午前のおやつに選ばれた「黒平まんじゅう」=千葉県成田市で2024年4月23日午前11時59分、合田月美撮影

 午後は「成田産さつまいものショートケーキ」を選択。地元名産のサツマイモの甘露煮と和三盆を使い、アザラシをかたどったケーキで、提供した「ホテル日航成田」の葛城太郎さん(45)は「この対局のために考案した。ケーキの甘さとかわいさで、名人がつかの間でもほっこりしてもらえたら」と喜んだ。

 豊島九段は午前のおやつは取らず、午後には「成田表参道房の駅」の「妖精のお芋モンブラン団子」を注文。サツマイモを使ったクリームを添えた団子で、同駅長(店長)の渡辺真さん(38)は「名人は強敵だが、豊島九段にはこの団子が勝利につながったと思ってもらえるよう頑張っていただきたい」と期待。

第82期名人戦七番勝負第2局の初日、豊島将之九段が午後に注文したおやつ「妖精のお芋モンブラン団子」と「りんごジュース」=千葉県成田市の成田山新勝寺で2024年4月23日午後3時8分、渡部直樹撮影

 一方、昼食は藤井名人が「うなぎのタレで焼いた水郷錦爽鶏(きんそうどり) 焼き鳥定食」、豊島九段は「NARITAのとなりまち ハワイ名物ポキ重」を注文。いずれも地元の天ぷら店「國之家」の特別メニューから選ばれた。社長の有賀正悟さん(49)によると、通常のメニューに手を加え、地元産の食材を多く使った。焼き鳥定食は成田で有名なウナギをアピールしようと、タレを使用。ハワイで食べられている「漬け丼」にちなんだポキ重は海外と結ばれている成田空港を意識して考案。有賀さんは「この食事を成田の思い出にしてもらえたら」と喜んだ。【合田月美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。