一目千本桜で有名な大河原町で、町の魅力を知ってもらいたいと地元の企業などがイベントを開きました。桜の季節以外でも町の魅力を発信したいと目を付けたのは「コスプレ」でした。
今月8日、大河原駅のすぐそばにある「まちづくりオーガ」で開かれたのは…
「第4回オーガみや市、いざ開幕じゃー!」
伊達武将隊の威勢のよい掛け声で幕を開けた「みや(38)市」です。飲食店ブースやステージでのショーなど多くの人でにぎわいました。その一角にひときわ目を引く格好の人が!
人気アニメ「エヴァンゲリオン」の綾波レイや…
Qなんのコスプレですか?「呪術廻戦です!」
累計発行部数9千万部超え、作中で宮城も登場する少年漫画のキャラクター。さらには…
「刀剣乱舞の薬研藤四郎のキャラクターをやらせていただいております。同じく刀剣乱舞の前田藤四郎くんをやらせていただいております」
刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男子」を率いて歴史を守るという人気オンラインゲームのキャラクターまで。街歩き型の「コスプレイベント」です。漫画やアニメのキャラクターに扮する「コスプレ」を通して町の魅力を発信し地域を活気付けようと地元の企業などが企画しました。
そもそもなぜコスプレイベントなのか。それは、コスプレを楽しむ人=「コスプレーヤー」の求めるものにあります。
コスプレーヤー
「お寺だったり雰囲気にキャラクターだったり、作品の雰囲気にあった写真を撮れそうなので楽しんでいきたいと思います」
撮影に来た人
「普段できない撮影ができて正直ワクワクしております」
コスプレーヤーたちの楽しみは、キャラクターの衣装を着ることだけで完結するのではなく、そのキャラクターや作品の持つ世界までを写真などで表現・再現することにあるそうです。大河原の町は、歴史的な建物も多くそうした撮影にうってつけだというわけです。
せんなん“夢コス”実行委員会 佐藤進 代表
「大河原町は一目千本桜が有名なんですけれども、春の花だけではなくてコスプレファンを集めてもっと桜の時期以外にも花を咲かせようと」
発起人で実行委員長の佐藤進さん。普段は「スズメバチハンター」としてハチの駆除を仕事にしていますが、地域を盛り上げたいとコスプレイベントを提案しました。今回のコスプレイベントは大河原駅近くの商業施設「まちづくりオーガ」を中心に4つの撮影ポイントを設けました。撮影した写真をSNSに投稿するなどコスプレーヤーたちの発信が、町の魅力発信にもつながるのではと期待を寄せながら打ち合わせを重ねました。
この日、県内外から集まったコスプレーヤーとカメラマンは29人。こちらは撮影ポイントのひとつ「佐藤屋邸」です。「佐藤屋邸」は明治から昭和にかけての近代和風建築で、国の登録有形文化財にも指定されています。一般公開は年に3回しかありませんがこの日は特別に開放されました。めったにない場所での撮影にコスプレーヤーは思わず…
「こんな格好でかくれんぼしていたらかわいいかなって」
「遊ぶのが大好きな子なんですね。鬼ごっことか、かくれんぼとかをイメージした写真を撮りたいなって」
普段目に付かない場所もコスプレーヤーにとっては魅力ある撮影スポットです。
佐藤屋邸 九代目 佐藤源之さん
「想定はしていなかったけどね。一応きれいっぽいところを考えていましたけど、ここは舞台裏なんだけれども、使っていただければ。建物自体、ただあるだけでは意味がないので、いろんな使い方をしたら面白いだろうと思って。建物を知っていただく機会になればいいなと思っています」
コスプレイベントの噂を聞きつけた町民も訪れました。
大河原町民「おー!すごい。一本下駄」
新しい取り組みに新鮮さを感じているようです。撮影スポットはここだけではありません。こんなところも…
「はいボーズ(坊主)!」
400年以上の歴史がある繁昌院です。コスプレーヤーと一緒に撮影を楽しんでいるのは住職の丹羽宜博さん。撮影スポットとして寺を利用したいという打診を快諾しました。
繁昌院 丹羽宜博 住職
「いつでもいいよって。お寺は開放しているから、ご縁のある方には皆さん来ていただくようにしているから。誰とでも出会う、そして幸せになってもらいたい。笑顔になってもらいたい。だからコスプレの方々もみんなここで笑顔になってもらえれば、一番いいんじゃないかな」
大河原町といえば、一目千本桜。桜の季節はまだ先ですが…
「3・2・1!」
競走馬を擬人化したキャラクターに扮したコスプレーヤーは河川敷を競馬場に見立てて出走!公民館などが入り、町民の親しまれているビルの屋上駐車場は…
コスプレーヤーによって作中のワンシーンのように変わりました。参加者たちは自身が扮するキャラクターに合わせた撮影ポイントを見つけて普段撮影できないシチュエーションを堪能していました。
コスプレーヤー
「珍しい場所で撮れるので、めちゃめちゃうれしい」
イベントを企画した佐藤さんは確かな手応えを感じていました。
せんなん“夢コス”実行委員会 佐藤進 委員長
「多くのコスプレーヤーさんから感謝されました。素敵な場所を用意してくれてありがとうございます!こっちも来てくれてありがとうございます!ということでとてもうれしかったです。こんなにも大河原にも魅力があったということを別の角度で発信できたのがよかったと思います」
町の新たな魅力の発見と可能性。コスプレーヤーたちの笑顔がイベントの成功を物語っていました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。