かつて巨大な宗教都市として栄え、国の史跡にも指定されている勝山市の白山平泉寺旧境内で、12年ぶりとなる発掘調査が行われています。
      
勝山市平泉寺町にある白山平泉寺は、平安末期から戦国時代にかけて最も栄え、80を超える寺や神社、6000を超える僧侶の住居が並ぶ巨大な宗教都市だったとされています。
   
市の前回の調査は2008年から4年間行われ、屋敷の跡や石畳の道のほか貴重な遺物が数多く見つかりました。
  
準備期間に10年余りを要した12年ぶりとなる今回の発掘調査の対象エリアは、平泉寺白山神社の南側の「南谷」という多くの僧侶の屋敷があった区域の一部170平方メートルです。
  
発掘は9月3日から始まっていて、越前焼や青磁、白磁のかけらが次々と見つかっています。今回は、屋敷周辺の土塀の基礎となる石垣や水路など、15世紀から16世紀にかけての石を活用した遺構の発見を目標としています。
 
発掘にあたっている学芸員は「平泉寺は日本遺産に認定されて『石がたり』という形で、石とともに歩んだ歴史ストーリーがある。当時の中世の人々の石を積んだ技術、石を巧みに使ってまちづくりをした場所が、少しでもここを訪れた人々に伝わって、平泉寺の歴史のすばらしさや魅力が伝わってほしい」と話します。
  
発掘調査は10月上旬まで続けられ、調査の様子は現地で見ることができます。
         
国の史跡の白山平泉寺旧境内の面積は約200ヘクタール、東京ドーム40個以上の広さで、これまでの調査はその1%ほどにとどまり、平泉寺は謎に満ちた宗教都市と言われています。

尚、2025年は、平泉寺白山神社のご神体を33年に一度公開する「三十三式年祭」の年だということです。

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