応氏杯世界選手権で優勝し、帰国後の記者会見で喜びを語る一力遼本因坊=東京都千代田区で2024年9月9日午後4時38分、猪飼健史撮影
写真一覧

 第10回応氏杯世界選手権決勝五番勝負第3局を制して初優勝を飾った一力遼本因坊が9日に帰国し、同日夕方に東京都千代田区の日本棋院で記者会見した。一力本因坊は「世界戦で一つ優勝できたのは大きかったが、二つ三つと優勝を重ねることにチャレンジしたい。日本棋士全体の底上げのために先頭を切ってやっていきたい」と抱負を語った。

 会見の冒頭、「洪道場」主宰の洪清泉四段と徐文燕二段から花束を受け取った一力本因坊は「昨日優勝を決めて、今日ここにいるのが不思議な気持ち。多くの人にお祝いしてもらってようやく実感がわいてきた」と笑顔を見せた。

 主要な世界戦での日本勢の優勝は19年ぶりとなったが、一力本因坊は「準決勝で柯潔さん(九段)に勝てたことが大きな自信になった」と振り返り、「まだまだ中国や韓国に強い棋士がたくさんいるし、実力の上ではナンバーワンと言われる申真諝九段には及ばない部分が多くあるので、少しでもそういう棋士との差を詰めていけたら」と話した。

第10回応氏杯決勝五番勝負第3局に臨む一力遼本因坊=日本棋院提供
写真一覧

 河北新報社取締役との「二刀流」で世界一を成し遂げたことについて問われると、「二つやるのは大変だという声もあったが、前例にないことに挑戦するのにやりがいを感じていた。いい意味で前例を覆していきたい気持ちはずっと持ってやっている」と述べた。【武内亮、丸山進】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。