東京の新将棋会館の対局室(イメージ図)=日本将棋連盟提供

 日本将棋連盟は創立100周年に当たる8日、東京都渋谷区の将棋会館から約300メートルの「ヒューリック将棋会館千駄ケ谷ビル」1階に入居する新将棋会館が完成し、報道陣向けに内覧会が行われた。

 新会館の延べ床面積は2460平方メートルで、現会館(地上5階、地下1階)の2545平方メートルよりわずかに狭くなったが、エレベーターや階段部分がなくなるのを考慮すればほぼ同規模という。8室あった対局室は、21畳の特別対局室を含めて11室に増え、椅子対局できる部屋も設けられた。

 対局室の名前は、現在の「高雄」「雲鶴」「棋峰」「飛燕」「銀沙」「香雲」「歩月」「桂」をそのまま踏襲するほか、新たに「鍾馗(しょうき)」「陽響(ひびき)」が加わる。「鍾馗」は数少ないアマ九段免状を持つ杏林堂薬局(浜松市)の渥美雅之名誉会長が命名したもので、邪鬼をはらう中国の神の名前。「陽響」は公募の中から選ばれた。いずれも和室で、「歩月」は椅子対局も可能だ。

 館内には、将棋盤の脚と同じく「対局中は口を出すな」という意味を持つクチナシの実をかたどった椅子が置かれ、廊下のじゅうたんや壁は駒の形をかたどった。対局室のほか、棋士と女流棋士の控室、昼食や夕食で使われる休憩室、対局中の息抜きのための屋外休憩スペースなども設けられた。

 将棋道場は、より多くの人に来てもらおうと、現状午後6時までの営業を午後9時までに延長する。また、1日券の料金より3割ほど安い「4時間券」を新たに設定する。

 売店は、将棋盤や駒、扇子など定番グッズのほか、マグカップや文房具、Tシャツ、公式戦の対局で使われている座布団を販売し、より幅広い品ぞろえとなる。

 カフェでは、「勝負めし」の定番であるカレー4種類や、佐藤康光九段が監修したコーヒーなどを提供する。カプチーノには棋士の画像がプリントされ、10月は羽生善治会長、11月には谷川浩司十七世名人と、月替わりで楽しめる。メニューの詳細は9月下旬に発表予定。【丸山進】

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