福井県内の魅力を再発見する「小旅」のコーナーでは今回、福井市岡保地区で住民が大切に守り続けている、戦国大名・朝倉氏ゆかりの名水を紹介します。地域の人が大切に守り続ける泉と、実はあまり知られていないもう一つの泉です。
 
緑に囲まれた中に、ひっそりと佇む小さな泉「岡の泉」です。その歴史は、500年以上前からと古く、応仁の乱が治まった1481年には、朝倉氏二代当主・氏景(うじかげ)が近くに神社を建立した際、手水として使ったという記録も残されています。
  
今も、こんこんと湧き出る水は周囲の田畑を潤し、飲料水として使われています。自然あふれる水辺には、アメンボやトカゲなど、さまざまな生き物の姿も。
  
岡の泉の湧き水は、硬度が低い軟水です。日本料理や香りを楽しみたい飲み物に最適と評判で、地域の内外から多くの人が水を汲みにやってきます。水汲み場を覗いたときの水面に映る、青空や綺麗な雲に、心癒されるのだそう。
 
地元の人は「ご飯を炊く時の水に使う。水道水とは全然違う。水道水を使うと一瞬で分かる。長い間この水を使っているので。今の時期だと麦茶や特にコーヒーをいれるのにいい」と話していました。
  
水温は1年を通して13度から15度で、帰るころには、容器が結露する冷たさです。
 
実は、地域の人が知る泉はもう一つありました。ここから東へ進み、突き当たりを右へ曲がった先にも小さな泉が。岡の泉より1度ほど水温が低く、こちらを好んで水を汲む人もいるのだとか。
 
残暑厳しい日が続きますが、涼を求めて訪れてみてはいかがでしょうか。
 
〈岡の泉〉
場所:福井市次郎丸町
アクセス:岡保地区を走るコミュニティバスのバス停「岡の泉」から南へ約50m
※泉の前には、無料駐車場もあり

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