法被姿で博多にわかを教わる(手前左から)佐多宏海さん、克海さん、七海さん=福岡市で2024年8月5日午後6時31分、田後真里撮影

 半面を着け、博多弁で進めてオチをつける「博多にわか」が披露される博多盆仁和加(にわか)大会が25日午後1時、福岡市中央区赤坂2の市立中央市民センターで開かれる。にわかに魅せられ、昨年8月の盆仁和加大会にデビューした当仁(とうじん)中1年、佐多克海(かつみ)さん(12)に続き、今年は当仁(とうにん)小5年、妹七海(ななみ)さん(11)、3年の弟宏海(ひろみ)さん(8)も出演する予定で、練習に励んでいる。

 克海さんは、2022年3月に家族で出掛けた三味線の演奏会で幕間に披露された博多にわかに興味を持った。翌月から博多仁和加振興会が主催する講習会に参加して昨年、初舞台を踏んだ。「聴くのも楽しいけど、演じるのはもっと楽しい」と笑う。

 振興会理事長の荒瀬治さん(71)によると、江戸時代に関西から全国各地に伝わった「にわか」の中でも博多は特に盛んで約80人の会員が活動する。ただ、定年後に始める人が大半で平均年齢は70歳代と、高齢化が長年の課題だった。克海さんたちの参加に「願ってもないうれしい展開。吸収力があり、上達している。大人もうかうかしてはいられない」と話し、3人にしっかりと間を取るように助言していた。

 七海さんは、克海さんの姿を眺めるうちに「一瞬で笑いをつくるのはすごい」と感じて昨秋から始めた。伸びのある声を生かし、大会では一人で演じる「一口にわか」のコンクールと芝居仕立ての「段もの」に出演する。

 当初は「兄ちゃんたちが家にいなくて寂しいから付いてきた」宏海さんだったが、意外なオチが面白く、好きになったという。母のぞみさん(46)は「世相を反映するので、日々の会話やニュースに『ネタになるかも』と敏感になった。一緒に楽しんでいます」と練習を見守った。

 大会には約80人が出演する。入場無料。問い合わせは事務局(092・733・5050)。【田後真里】

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