越前市内の「国際木版画ラボ」が18日、報道陣に公開されました。水性木版画を通した日本の伝統文化の発信拠点として期待されています。山梨県から移転してきた「国際木版画ラボ」ですが、なぜ福井に移転したのか、理由を取材しました。
          
越前市粟田部町に完成した「国際木版画ラボ」は、築100年の古民家を改装し、主に海外のアーティストが水性木版画を学ぶ滞在型施設として整備されました。
 
県和紙工業組合が2年前から誘致に取り組み、市の補助金も受けて、山梨県から越前和紙産地への移転を実現しました。
  
広々とした作業場で、海外の様々な分野のアーティストが、約1カ月間、水性木版画の歴史や技術道具のメンテナンスなどを学びます。一度に6人まで受け入れ可能で、参加者は寝食をともにしながら作品づくりに没頭できます。
 
しかしこの施設、なぜ福井に移転してきたのでしょうか?
 
国際木版画ラボ ・佐藤靖之代表理事:
「和紙の産地だからですよね。和紙の産地で職人さんとアーティストがダイレクトに対話ができるからというのが大きな理由」
 
木版画の世界では、発色が良く摩擦に耐えられる丈夫な和紙が重宝されています。その中でも越前和紙は上質で、海外からも人気だといいます。また、木版画は乾燥が大敵で、福井県ならではの湿度の高さも移転の決め手の一つとなりました。

ラボでは今後、アーティストらが紙漉き体験をしたり、和紙職人との交流を通して和紙文化を学んだりする「プログラム」も検討しています。
   
国際木版画ラボ ・佐藤靖之代表理事:
「どういう工場でどういう和紙を作っているかということを目の当たりにして理解を深めてもらいたい」
 
越前市産業観光部・出雲裕樹課長:
「アーティストが越前和紙を海外で発信することで、ブランド力が向上することを期待している」
 
国際木版画ラボは、4月21日からアーティストの受け入れを始めますが、既に11月まで申し込みは埋まっているということです。

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