日本古来の製鉄法「たたら製鉄」で、日本刀の材料になる「玉鋼」をつくる技術を持つ島根県奥出雲町の職人が、文化財の保存に欠かせない技術、国の「選定保存技術」の保持者に認定されることになりました。

これは19日に開かれた国の文化審議会で答申されました。国の選定保存技術の保持者に認定されることになったのは「玉鋼」の製造技術「たたら吹き」の職人で、奥出雲町の堀尾薫さんです。
1977年に奥出雲町で、日本美術刀剣保存協会「日刀保」が復活させた日本古来の製鉄法「たたら製鉄」で日本刀の材料になる玉鋼をつくる「たたら吹き」を受け継ぎ、1993年から約30年にわたって「たたら」の操業を支えてきました。

堀尾薫さん:
もう入った時は、選定保存技術保持者はもうすごいオーラがあって、もう話もできなかった。大変身の引き締まる思い。

堀尾さんの前に保持者に認定されていたのは、師匠で現場の最高責任者「村下(むらげ)」を長年務めてきた木原明さん。6月に88歳で亡くなるまで、たたら製鉄の復興や普及後進の育成に尽力しました。

堀尾薫さん:
四方八方に気を使われる方で、叱咤激励していただいた。急に他界されて寂しく、まだまだ指導していただきたかった。令和の玉鋼は素晴らしいねと言ってもらえるように、一致団結してワンチームでみんなで取り組んでいきたい。

堀尾さんは18日に5代目の「村下」に就任。受け継いだ技を次の世代に伝える役割も担いながら、たたらの炎を燃やし続けます。

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