文化審議会は19日、文化財の保存修理に欠かせない技術の継承を国が支援する選定保存技術の保持者・保存団体に、沖縄県内から「屋根瓦製作(琉球瓦)」の八幡昇さん(74)=与那原町=と、「屋根瓦がわら葺ぶき(琉球瓦葺)」の琉球瓦葺技術保存会(田端忠代表)=八重瀬町=を認定するよう文部科学相に答申した。答申通り認定される見通し。
手作業での瓦製作を指導する八幡昇さん(右)=文化庁提供保存会の母体や八幡さんが代表理事を務める県赤瓦事業協同組合は、2019年に火災で焼失した首里城正殿の再建にも携わっている。
琉球瓦は赤色が特徴で、手作業で製作する。沖縄では瓦ぶきの建物と職人が減少し「技術が途絶えかけている」として、早急に保護を図る。いずれも琉球文化に伝わる独自の技術で、八幡さんや保存会はそれぞれの技術に精通し、後進の指導や育成にも尽力していることが評価された。
琉球瓦葺技術保存会の田端忠代表=八重瀬町玉城デニー知事は「沖縄の伝統文化の独自性が評価され、県民に大きな誇りと自信を与える。首里城再建にも大きな弾みとなる」とのコメントを出した。
県内の選定保存技術の認定は2009年の「組踊道具・衣裳製作修理」以来。指定解除を除き今回の認定で2人と4団体となった。
屋根瓦葺の技術継承を目的に行われた研修の様子(文化庁提供)鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。