足立秀夫元席亭=2010年4月19日、竹内幹撮影

 約40年にわたって「大須演芸場」(名古屋市中区)の席亭を務めた足立秀夫さんが5月14日に心不全のため亡くなっていたことが明らかになった。90歳だった。葬儀は親族で営んだ。本人の希望でお別れの会などは行わない。

 足立さんは名古屋市生まれ。高校中退後、アルバイトをしながら寄席に通い詰めた。その後、大阪に拠点を移し不動産業で成功、芸能プロダクションを設立した。1973年に経営難の大須演芸場を引き受け、2代目席亭となった。

 「芸どころ名古屋」唯一の常設寄席である同演芸場には、無名時代の明石家さんまさんやビートたけしさんら東西から多くの芸人が訪れた。だが、次第に客足が減り、足立さんは私財を投じて「寄席の灯」を守ろうと努めたものの、2014年に家賃滞納などでいったん閉場。同演芸場は翌15年に一般社団法人として再出発した。【塚本紘平、永海俊】

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