銅板の形を整える職人。一枚一枚に番号が付けられている=笠間稲荷神社で2024年6月28日午前11時16分、鈴木敬子撮影
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 「日本三大稲荷」の一つとされる笠間稲荷神社(茨城県笠間市笠間)で国重要文化財の本殿の保存修理工事が進められており、28~29日、現場見学会が開かれた。工事は銅板ぶき屋根の全面ふき替えを主としており、参加者たちはなかなか見ることのできない屋根を間近に見ながら、担当者の説明に熱心に耳を傾けていた。

 同神社の本殿は江戸時代末期の1860年ごろ建てられ、1988年に国重文に指定された。建立から約160年が経過し、経年劣化や風雨の影響で屋根裏から雨漏りしたため、2022年9月から大規模な保存修理工事を実施している。部分的な修理をした痕跡はあるが、屋根の全面ふき替えは建立以来初めてという。工事の完了は25年3月を予定している。

銅板ぶき屋根の下に、右側のようにスギやヒノキの板がきれいにふいてある=笠間稲荷神社で2024年6月28日午前10時57分、鈴木敬子撮影
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 見学会では、設計・管理を担う文化財建造物保存技術協会の担当者が、銅板製の丸瓦と平たい銅板を組み合わせた「本瓦形銅板ぶき」で、銅板の下にもスギやヒノキの薄い板がきれいにふいてあることなどを説明。修理では、銅板一枚一枚に番号を付けながら取り外し、空いていた穴を埋め、元の位置に戻している。

 見学会は23年9月に続き2度目で、2日間で計約100人が参加。参加者は足場を上り、約6メートルの高さから屋根を見学した。前回も参加したという市内の男性(65)は「前回よりだいぶ出来上がってきた。屋根の曲線がきれいで印象的だった」と話した。【鈴木敬子】

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