兵庫県の姫路市長が世界遺産・姫路城の入場料を「外国人観光客だけ値上げしたい」と発言しました。値上げ額はなんと4倍以上、その狙いとは?

観光客でにぎわう世界遺産・姫路城。観光客の人数は、新型コロナ前の水準に戻ってきていて、昨年度はおよそ148万人に。

そのうち、外国人は3割のおよそ45万人と過去最多となり、いま外国人観光客にも人気のスポットとなっているようです。

【ジャマイカからの観光客】「すばらしい!ツアーガイドの歴史の説明にも魅了されたよ」

■驚きの値上げ案

この姫路城の入場料をめぐって、姫路市長が16日、国際会議の場である発言をしたのです。

「城の保存にはお金がかかる。姫路城は7ドルで入れる。もっと値上げしようかなと思っている」「外国の人は30ドル払ってもらい、市民は5ドルくらいにしたい」

姫路城の入場料は、大人(18歳以上)が1000円ですが、外国人観光客に限って、今の値段から4倍以上の30ドルの入場料にするというものでした。

日本円にするとおよそ4700円!

【埼玉県からの観光客】「え!!高~~~い!!もし高くするなら1~2割ならまだ…。4倍以上!?かわいそう。逆の立場だったら絶対いやだ」

■外国人観光客の声は

この値段について外国人観光客は…

【オーストラリアからの観光客】「その値段でも来ようと思うわ」「日本に来るのにもっとお金がかかっているから大したことないよ」
【カナダからの観光客】「大阪城は600円で入れるから、行きたいと思う人が少なくなるかもしれないね。でも城の修復のためにお金が必要なら、選択肢はないだろうね」

■姫路市長の考えは

今回の発言について、姫路市の清元秀泰市長は次のようにコメントしました。

【姫路市 清元秀泰市長】「姫路城の保存継承やオーバーツーリズム対策は喫緊の課題。外国の世界遺産の城では姫路城よりも高価な料金設定をしているところも多く、本質的価値に見合う料金改定を行うことが適切と考えている」

また、「具体的な制度設計は、現在行っている段階で、今後10年間の維持管理費などを見据えて設定したい」としています。

世界では、二重価格を導入している観光名所も

【関西テレビ・加藤さゆりデスク】「世界では、二重価格を導入している観光名所があり、例えば、フランスのベルサイユ宮殿、カンボジアのアンコール遺跡群、インドのタージマハル、エジプトのピラミッドなどがあります。

例えば、フランスのベルサイユ宮殿は、観光客は32ユーロで、現地の在住者は無料となっています。観光客の料金が設定されていて、無料になる現地の在住者は、いわゆるマイナンバーカードのような市民カードを見せて入場します。

私もフランスのベルサイユ宮殿に行った時は、別の入り口がありました。入口で証明書とチケットを一緒に見せて入ることになるので、外国人観光客の料金を先に設定する考え方かもしれないですね」

姫路城だけではなく、これからも議論が活発化していきそうです。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年6月17日放送)

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