「家形埴輪総選挙」で暫定1位となった西都原古墳群「子持家」(レプリカ)=奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館で2024年6月6日午後2時11分、皆木成実撮影

 奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(橿原市畝傍町)で開かれている特別展「家形埴輪(はにわ)の世界」(6月16日まで)会場で人気投票「家形埴輪総選挙」が行われている。特別展終盤の6月5日現在の集計で、西都原(さいとばる)古墳群(宮崎県西都市)の「子持(こもち)家」が暫定1位となっている。

 古墳時代の大王らの邸宅をモチーフに作られたされる家形埴輪に焦点を当てた特別展。展示されている全国60棟分の家形埴輪のうち23棟分の写真を並べて「あなたの推(お)し家形埴輪は?」と書いたポスターを会場に設置。来場者にシールで投票してもらっている。最終結果は特別展閉幕後に同博物館ホームページで発表する。

暫定2位の今城塚古墳の家形埴輪=奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館で2024年6月6日午後2時12分、皆木成実撮影

 「子持家」は同集計で320票と1位。入り母屋造りの母屋の前後左右に小さな掘っ立て柱建物計四つが連結。類例のない家形埴輪として重要文化財に指定され、特別展にはレプリカが展示されている。実際の建築物ではないとされるが、童話に登場する魔法の家のような造形が子どもらに人気を呼んでいる。

 暫定2位は継体天皇の墓とされる今城塚古墳(大阪府高槻市)の埴輪の272票。大王墓遺物にふさわしく、高さ171センチと家形埴輪としては国内最大だ。暫定3位は79票の赤堀茶臼山古墳(群馬県伊勢崎市)の埴輪で、神社風の切り妻造り建築で地元豪族の居館がモチーフとみられる。

 鈴木朋美主任研究員は「今城塚が1位と思っていたので暫定とはいえ、意外な結果。家形埴輪を造形物としてみた場合は、違う評価があると教えられた」と話している。

 特別展は月曜休館。問い合わせは同博物館(0744・24・1185)。【皆木成実】

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