囲碁の第79期本因坊決定戦五番勝負(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛)を3連勝で制し、初防衛を決めた一力遼本因坊(26)が第3局から一夜明けた31日朝、三重県鳥羽市の老舗旅館「戸田家」で取材に応じた。ここは前期、最終局で本因坊位の初獲得を果たした地。「自分にとっては思い出の場所で、ここで決めたいとの思いはあった」と明かし「今の自分のベストは出せた」と振り返った。
初獲得を目指した余正麒八段(28)の挑戦を退け、棋聖、天元との3冠を堅持した。14日の開幕から、短期決戦となったシリーズ。特に第3局は難解で、どちらに転ぶか分からない局面が続いたが、「昨晩は碁から離れてよく眠れた」と話し「終わってほっとした気持ちは強まった」と表情を緩めた。
今後、余八段らと挑戦を争っている名人リーグなど国内棋戦の他、中国甲級リーグへの参戦など国際棋戦での活躍も期す。「今期からの本因坊戦の変更に残念な気持ちはある。一方、3時間という持ち時間が国際棋戦に合わせやすい面もある。碁を取り巻く環境の変化に対応していかなければならない」と言い「ファンあっての棋士。少しでも楽しんでもらえる碁が打ちたい」と誓った。【最上聡】
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