挑戦者の豊島将之九段(右手前)の封じ手を入れた封書に署名する藤井聡太名人(左から2人目)。左端は立会の深浦康市九段=大分県別府市の割烹旅館もみやで2024年5月18日午後6時36分、金澤稔撮影

 藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(34)が挑戦し、藤井名人の3連勝で迎えた第82期名人戦七番勝負の第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)は18日、大分県別府市の割烹(かっぽう)旅館もみやで始まり、午後6時半、豊島九段が63分考えた39手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各9時間のうち消費時間は豊島九段4時間8分、藤井名人3時間55分。対局は19日午前9時に再開する。

 先手番の豊島九段が3手目に1六歩と“1手パス”の揺さぶりをかけ、後手番の名人に横歩を取らせる戦いに誘導。藤井名人は受けて立ち、16手目に7六飛と7筋の横歩を取った。25手目、豊島九段が交換した角を名人の飛車に当てて8三に打ち込んだところで昼食休憩に入った。

 挑戦者に馬を作らせる指し方もあったが、再開後の名人の着手は4四飛。「乱戦を選びましたね」と立会の深浦康市九段。豊島九段は68分の長考で6一角成と角を切り(29手目)、手にした金を5五に打って飛車を捕獲した。対して名人には馬ができ、難しい中盤戦が続いた。解説の佐々木大地七段は「藤井名人の馬が、名人の負担になるか、うまく活用できるかがポイントになりそうだ」と話した。【新土居仁昌、丸山進】

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