ヒロインの今田美桜(左)と北村匠海=東京都渋谷区のNHK放送センターで2024年4月26日午前11時26分、佐々本浩材撮影

 「アンパンマン」を生んだ漫画家、やなせたかし(1919~2013年)と小松暢(のぶ)の夫婦をモデルに描く25年度前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で、やなせに当たる柳井嵩(たかし)役を北村匠海が演じることが決まった。ヒロインの妻、朝田のぶ役は今田美桜が務める。

 北村の朝ドラ出演は初めて。「なつぞら」(19年度前期)のオーディションを受けたが、出演はかなわず、「朝の時間に僕の顔は合わないのでは」と思っていたという。

 制作統括の倉崎憲チーフプロデューサーによると、北村は当初から候補の一人で、昨年12月にボーカルを務めるバンド「DISH//」のライブを訪れた。「10分後、命を落とすかもしれないから、今をどう生きるか考える」。自身のモットーを観客に語りかける北村の姿に、言葉でも多くの人の心を揺さぶっている人と感じたと話す。今田がオーディションで選ばれた後、正式に出演が決定した。北村は26歳で、今田は27歳。「暢さんが1歳年上という点まで2人はぴったりだった」

 ライブでの言葉が出演のきっかけと知らされた北村は「自分の思いがこの作品や今田さんに出会わせてくれた。やなせさんは生きることは素晴らしいという思いを作品に落とし込んできた方。役と向き合い全うしながら、みんなと時間を過ごしていきたい」と感慨深げに語った。

 共演は6度目という今田は「秘めた強さがあふれ出す北村さんの芝居を見るのが楽しみ。ご一緒できて安心感しかない。温かく歩んできた2人の人生を、一緒に丁寧に描いていけたら」と話していた。

 夢を忘れず人生の荒波を乗り越えた夫婦の愛と勇気の物語。脚本は中園ミホが手掛ける。【佐々本浩材、写真も】

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